あっちがあっち

リフォームをするまで、うちの猫、あっちとこっちは家の外には出したことがなかった。というより家猫として育てていた。しかし、リフォーム中、あっちはするりと窓なし窓から抜け出すようになってしまった。しかたがないからそれ以降外に出すようになったのだが…オスのこっちはほとんどおうちで丸くなり、メスのあっちが毎日のように外に行っては朝帰りというさま。あっちはそれでも名前を呼ぶと律儀にどこからかすっ飛んでくる犬のような習性で、ある意味助かってはいる。寒い夜なんかは夜寝る前に呼んでやって家に入れてあげられるから、本人はどっちでもいいのだろうが飼い主はそのほうがほっとする。それでも夜を外で明かすという日もたまにある。あの日もそうであった。そんなときは朝呼んでやるのだが、その日は「あっち」と呼ぶと「ミャー」と返事が返ってくるだけで家には戻ってこないのだ。なんどやってもこのありさま。そのうち「ミャー」という声が「助けてぇ」と言っているように聞こえてきた。これはどこかで犬にでもかまれたか、罠にはまったか(ちなみにそんな危険地域に住んでいるわけではない)、とにかくけがをして動けないんだと思い始めた。さっそく服に着替えて裏にある林のほうへ行って探してみることに…
か「あっちぃ」
あ「ミャー」
声が家の方からする。ということは林の中ではないんだ。家の方に戻りながら
か「あっちぃ」
あ「ミャー」
どこにも隠れるとこなんかないのに一体この声はどこから…???
くどいけど、も一度
か「あっちぃ」
あ「ミャー」
あら? と空を見上げる私。
ぬぬぬぅ
メープルツリーのずいぶん高いところにあっちが…
「助けてぇ」ではなく「下ろしてくれぇ」だったようだ。
仕事に行く寸前だった旦那様をあわてて呼び、旦那はお隣さんから長~いはしごをかりて
!!!猫救出作戦遂行!!!
5分後には無事けがもなく猫はあっけなく救出された。
旦那さま、その前の日は誕生日だったんだけど初日からえらいご苦労さんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です